「はあ、はあっ⋯はあっ⋯!」
青木くんと別れて走ってやって来たのは白蘭高校。
千鶴さんの通う高校だ。
大きな校門の前で膝に手を当てて呼吸を整える私に白蘭の生徒は怪訝な目を向けながらも通り過ぎていく。
中には「誰あれ?」「先生呼ぶ?」なんて声も聞こえてきて先生を呼ばれるのはマズイ!とどこか端に避けようかとキョロキョロしていると───────、
「⋯⋯⋯雪乃?」
聞き慣れた、だけど懐かしい、恋しい、大好きな彼の声がした。
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