それはもう、人生で一番必死な謝罪だった。
勢いよく頭を下げた衝撃で少し首が痛くなったくらいだし。
だけど目の前の千鶴さんが怖くて、きっとグラスを落としてしまったという失態があるからそう思ってしまうのかもしれないけどとにかく二階に連れてこられたって事の意味がわからず、謝らないと何かただじゃ済まない気がして。
「ごめんなさいっ、あの···ぐ、グラスは弁償するのでっ···あの、って片付けなきゃ···!」
もうパニック過ぎて自分でも何を言いたいのかよくわからない。
「お前···」
千鶴さんも何かを言おうとしたけれど途中で言葉を止め、さっきのようにあたしの手を引っ張ったりそしてそのままコの字に配置されたソファの千鶴さんの隣に座らされた。
「楓也、手当てしてやれ」
そして千鶴さんとあたしが座るソファの右側に座っていた楓也さんにそう告げた。



