「雪乃今から行くの?」
「うん。今から千鶴さんに会いに行く」
放課後になり帰り支度を素早く整える。
「頑張ってね、なんて励ましにもならないかもしれないけど、応援してる」
「うん、ありがとう」
「ちゃんと雪乃の気持ち、伝えて来なね」
そう言いながらあたしの手を取ってぎゅっと力強く握ってくれたあさみに泣きそうになりながらも何とかそれを堪えて頷く。
「ありがとう。ちゃんと、好きって伝えて来るね」
そう言ったあたしに力強く頷き返してくれたあさみとは職員室に提出しなければいけないものがあるらしくそこで別れた。
教室を出る直前、「雪乃なら大丈夫だよ」と言ってくれたあさみはどこまでも優しかった。