「千鶴さん、に⋯?」
あさみの提案に目を丸くする。
「うん。雪乃のその気持ちを千鶴さんに伝えるの」
あたしの目をしっかりと見てそう言うあさみに「でも、」と弱気なあたし。
「でも⋯、あたしはもう⋯振られたも同然で⋯」
「⋯⋯」
「千鶴さんの事好きだけど⋯伝えるなんて⋯」
「怖い?」
怖いかという質問に小さく頷く。
怖くないはずがない。
好きだからこそ、伝える事がすごく怖い。
千鶴さんに拒絶されるのが怖い。
今以上に苦しい思いをするのが怖い。
伝えても振られてしまうのがわかっているから⋯その確率は100%だから怖い。
「伝えられないよ⋯」
ポツリと零れた弱気な言葉。



