「雪乃、この新作お菓子食べる?」
休み時間、あたしの前の席の椅子に反対向きに座りながらそう口にしたあさみの手には新作だと思われるチョコとクッキーで出来たお菓子の包み紙がある。
「新作っていっても期間限定らしくて店にあった最後の一箱をゲットしたんだよ」
「へぇ、美味しい?」
「まあ味はただのストロベリーだけどさ、美味しいよ。一つどーぞ」
「ありがとう」
ニコリと笑ったあさみはあたしの掌にその新作のお菓子を載せた。
ストロベリー味らしくピンク色をした包装紙を剥がしてそのお菓子を口にすると口の中に広がる甘い苺の風味。
「ん、美味しい」
「⋯⋯」
口に広がるストロベリーを味わいながらそう素直に言うとあさみがどうしてかわからないけどグッと眉間に皺を寄せた。



