ここ三日はベッドに入る時間も早くなった。 理由は簡単。 現実を見たくないからだ。 起きていたら辛い思いばかりする。 千鶴さんの事ばかり思い出す。 だから何も考えなくていい夢の世界に早く入りたくて。出来る限り長くそこに居たくて。二十時にはベッドの中で瞳を閉じるのが当たり前になりつつあったその日、 ピリリリ、と真っ暗にした部屋に鳴り響いた機会音に一瞬ビクッと体が跳ねたけれどすぐにそれがスマホの着信音だと気づいて枕元にあったそれを確認した。