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いつも通りに過ごそうと思ってもそうはいかなくて、学校では先生に注意をされるほどボーッとしていたり、家に帰ればお風呂の中でもベッドの中でも気がつけば泣いていたりとそんな日々を過ごす事三日。
あれからお父さんは婚約の事で色々と奔走している様で⋯その事であたしと話をする為に前よりも家に居る時間が増えたお父さんには顔を合わせる度に色々な事を言われた。
謝れと怒鳴る父にあたしが一体何をしたというのかと。あたしが何かして婚約が破棄になったと決めつける父に怒りも沸いたけれどふと、あたしは千鶴さんに選ばれなかったんだから父が言うあたしに原因があるという決めつけも外れてはいないんだななんて人事の様に考えたりもした。
会社の未来を賭けた父の賭け。
それを白紙にしてしまったのは紛れもないあたし。
「ごめんなさい」と口にしてしまおうかと思うほど、もう父からの言葉の数々に限界を感じていた。



