「雪乃!」
そう声のした方を見れば心配そうに、焦ったように眉を下げてこちらに走ってくるあさみが見えて更にあたしの涙腺が緩んだ。
あさみの顔を見ただけで安心感が湧いてくる。
「あ、さみぃ⋯」
「雪乃っ!どうしたの!?何かあった!?」
「っう、」
あさみは傍に来るなりあたしの両肩をガシッと掴み更に眉を下げて顔を覗き込んだ。
その心配そうにあたしを見る表情に、ギュッと胸が痛む。
「ごめ、んっ⋯電話なんかしてっ⋯」
今気が付いたけどあさみと一緒に青木くんも居て、きっとあたしが電話をかけた時に一緒に居たんだろうという事は簡単に想像出来た。
だから尚更申し訳なくて。
「青木くんもっ⋯、ごめんなさいっ」
青木くんだってこんなみっともない姿を見せられたらどう思うだろうか。
二人の楽しい時間を邪魔して、上手く言葉も出てこなくて泣きじゃくるだけで。
もう、あたしは本当に迷惑な奴だ。



