家を飛び出したあたしはポケットに入れていたスマホを取り出し電話をかけた。



迷惑だとはわかっていてもこんな時に頼れるのはあさみたけだ。

弱いとわかっていても、縋ってしまう。






「もしもしー」




3コール目で繋がった電話。

あさみの声を聞いたら更に涙が溢れてきた。




「っあ、さみっ⋯!っうう⋯」


「え?雪乃?なに、どうした?」


「うっ、っあさみぃぃぃ⋯!」


「え?え?ちょ、どうしたの」




電話越しに泣きじゃくるあたしに驚くあさみ。

もう、本当にあたしは何をしてるんだと呆れるけれど上手く言葉は出てくれなくてただただ嗚咽と鼻を啜る音だけを聞かせてしまっている。




「ごめ、⋯っごめんね⋯うー⋯、」


「わかった。わかったから今のどこにいる?」


「今⋯?」


「そう。どこ?」



そう聞くあさみを不思議に思いながらも今いる場所を伝えると「そこ動かないでね」とだけ言われ電話を切られてしまった。