「⋯⋯っ、」


あたしは振られたんだと、頭では冷静に考えていられるのに。

体は思うようになってはくれない。





「っ、う⋯、」


お父さんの前で泣くなんて絶対にしたくないのに、必死に涙を堪えようとしてるのに⋯。








ポタッ、ポタッ、と大きな雫はとめどなく落ちていく。





「何泣いているんだ、泣きたいのは俺の方だ」

「⋯っ、」

「おい、本当に破棄になった理由は思い当たらないのか?」

「⋯っうぅ、」

「っ雪乃!!」

「⋯っ」

「立て。今から有馬さんの方に謝罪に行って何としてでも⋯⋯、雪乃!?」





もう、お父さんの話なんて聞こえていなかった。



気づけばお父さんの静止を振り切って玄関のドアを開けそのまま外に飛び出していた。




悲しくて悲しくて仕方なかった。



心が痛くて痛くてたまらなかった。