ガタ───⋯⋯、ガタガタッ⋯⋯⋯、
そんな物音がして目を開けると、開いたカーテンの向こうは真っ暗になっていた。
手元を見れば解きかけの数学の問題。
⋯あたし、寝てた⋯?
まだ覚めきらない頭で部屋の時計を見れば時間は十九時五分前。
⋯⋯お父さん!
時間ギリギリという事実が一気に頭を覚醒させ、リビングへと急ぐ。
するとリビングのドアの前でお父さんと鉢合わせた。
丁度お父さんが帰って来たところだったらしい。
さっきの物音もお父さんのもの。
「おかえりなさい⋯」
目の前のお父さんにそう言ってもお父さんはあたしを冷たい瞳で一瞥しただけで何も言わずにリビングへと足を進めた。
⋯そんなお父さんの態度は普段と何も変わらないけど⋯、今日は機嫌が悪い⋯?
何となく、お父さんの雰囲気が普段よりピリピリしている気がする。



