「で、千鶴さんにちゃんと話を聞けたのね?」

「うん。婚約者の話もちゃんと聞けてモヤモヤ感もなくなったよ」

「そっか。なら良かったね」



千鶴さんにあの星がよく見える高台に連れて行ってもらった次の日、相談に乗ってくれてアドバイスや勇気をくれたあさみには報告をしておきたいと思い、千鶴さんに婚約者の話を聞いたことを報告した。



あたしの話を聞いたあさみは安心した様に「良かった、良かった」と言ってくれた。





「雪乃表情も明るくなったよ」



あさみにそう言われて婚約者の事で悩んでいる時は思い悩んだ表情ばかりしていたんだと今更気がついた。






「でも本当に良かったね」

「うん、聞いて良かったって思ってる。それにちゃんと聞くべきだってあさみが背中を押してくれたおかげで千鶴さんに聞く事が出来たんだよ。だから本当にありがとう」

「お礼を言われる様な事を言ったんじゃないよ私は」

「そんなことないよ。⋯それにあたしね、一つ決めた事があるんだ」




あたしがそう言うと「決めたこと?」とあさみが首を傾げた。



その仕草が可愛らしくてほっこりしたのと同時に次の言葉を口にするのにすごく心臓がバクバクする。





「うん。あのね、あたし⋯千鶴さんに告白したい」





昨日、千鶴さんの運転するバイクの後ろに乗りながら決めたこと。


それは千鶴さんに告白するということだ。