君ありて幸福 【完】




やっぱり千鶴さんには決まった人がいるんだ。

やっぱり⋯そうなんだ⋯。


ショックからか僅かに指先が震えた。





「そう、なんですね⋯」




あたしは今上手く笑えているだろうか。

ちゃんと千鶴さんの目を見れているだろうか。



涙を堪えて口を真一文字に結んで⋯それでもなんとか笑みを浮かべて。


千鶴さんの目に映るあたしは酷く滑稽かもしれない。







千鶴さんはその人と結ばれるんだ。

その人は千鶴さんに愛されているんだ。



⋯その人が羨ましい。

とてもとても羨ましい。

その人になりたい。




叶わない願望と嫉妬とでグチャグチャになりそうだ。