「着いた」
そう言ってバイクが止まったのは走り始めてから三十分は経った頃だろうか。
何やら坂道を登ってきたのはわかるけどここがどこかは見当も付かず、わかる事と言えば広い公園のような高台ということ。
「ここどこですか?」
そう聞けば千鶴さんは何も言わずに足を進めてしまうから慌ててそれに着いていく。
本当にここはどこなんだろう。
周りには人が居らず、シンと静かなこの場所。
灯だって数本の街灯があるだけで全体的に暗い。
ここが千鶴さんの来たかったところ⋯?
どうしてこんな暗くて静かな場所に?と疑問だらけの頭は千鶴さんの「こっち見てみろ」という声によって見事に塗り替えられた。



