君ありて幸福 【完】




手を引かれてTrustを出るとブワッと冷たい風が髪を靡かせた。




「寒いか?」

「今出てきた一瞬だけ。でも大丈夫ですよ」



季節は冬になったから空気や風は当たり前に冷たくなったけど今日はそこまで寒くはない。




「バイク乗れるか?」

「え?」

「行きたいとこ、少し遠いから」

「あぁ⋯、寒さということなら大丈夫ですけどバイクって乗った事ないんです」





まさかバイクで目的の場所まで行くとは思わずに一瞬ビックリしてしまったけれどすぐに千鶴さんの後ろに乗せてもらえるという事実に胸が高鳴った。

あたしにはそんな経験ないけど好きな人の自転車やバイクの後ろに乗せてもらうのって憧れている部分があったから。



だけど実際に乗れるかと聞かれたらわからない。

前に二人で出掛けた時はスカートで結局乗れなかったし、バイクの後ろに乗るという経験がないからだ。



今日はたまたまスキニーパンツを履いて来たからスカートとかの問題はないけど⋯⋯⋯。