のは良いものの⋯⋯⋯、




既にTrustに来て一時間。

あたしは何も出来ないでいた。







「⋯⋯⋯」






ダメだこのままじゃ。

このままだったらいつもと同じ。昨日と何も変わらない。


聞け、あたし。
怖がってたら何も変わらない、進まないんだから。




よし、まずは⋯、


楓也さんと昴さんの前で話す事は出来ないからこっそり千鶴んを呼び出して⋯⋯


そこでそれとなく婚約者の話を聞こう。


よし⋯⋯!






「千鶴さ、」

「雪乃」




頭の中で千鶴さんを呼び出すシミュレーションをしていざ声を掛けようとしたちょうどその瞬間、持っていたカクテルグラスをテーブルに置いた千鶴さんがあたしの名を呼んだ。