君ありて幸福 【完】



そして話を聞いてくれたのは昴さんだけじゃなかった。






「で?何か悩んでるんでしょ?」




放課後あさみと二人でオープンしたばかりのカフェで話題のケーキを食べていると自然な流れで恋の話になった。

最初はあさみと青木くんの近状を聞いていたんだけど突然あさみがそう言ったんだ。






「べつに悩んでなんて」

「そういう嘘はいいよ」

「っ、ごめん」

「責めてるんじゃないの。ただ雪乃最近暗い顔ばっかしてるからさ」

「!」

「この前の事もあるし。でも表情からして今回は───恋のお悩みかな?って思って」

「うん⋯」

「無理に話せとは言わないけど。悩んでるなら話を聞くくらいならあたしにも出来るから⋯、だからもし雪乃が話してもいいかなって思ったら話してくれたら嬉しい」

「あさみ⋯」

「力になれる事はなりたいの」





そう言って遠慮がちに微笑んだあさみに目頭が熱くなる。

こんな風に言ってくれる友達がいることは幸せな事だ。




誰かに相談するのは本当に信頼出来る人にしか出来ない。


あたしにはそんな人数える程度しか居なくて、女の子はあさみだけ。




昴さんに話した事で見えだした答え。

あさみにも聞いてもらいたい。




あたしは千鶴さんの婚約者の事を話す事にした。



あさみならその事を他人に言いふらしたりしないだろうし。

もちろん昴さんが言いふらすなんて事は思ってもないけど、それとは別に昴さんは千鶴さんに近過ぎるというのがあったから。



だけどあさみには婚約者の事も伏せずに話した。