「ああ?何だよ急に」
「だってそんな感じしません?芸能人とも違うけど、凄く遠い存在って気がするんです」
「まーチヅは本当にすげぇ奴だからな。有馬っつーもん背負ってるし俺らとは全然違う世界にいんだよ」
“全然違う世界にいる”
その言葉はグサッと胸に刺さった。
だけど「そうですよね⋯」としか言い様がない。
「⋯んだよその顔」
「え?」
「すっげー顔してんぞ」
「すっげー顔って⋯」
いつもの昴さんの意地悪だと思い言い返そうとしていたあたしに昴さんはゴクッと唾を飲み込んだ。
その普段とは違う昴さんの雰囲気にあたしも思わず言葉を止める。
「⋯⋯⋯お前⋯、」
やけに真剣な表情でこっちを見る昴さん。
普段とは違う昴さんにこっちまで緊張してきた。
「お前まさか⋯」
「⋯何ですか⋯?」
「まさか⋯」
「⋯⋯、」
「チヅが好きなのか?」
その言葉を聞いた瞬間ボンッと顔が熱を帯び、頭は真っ白になった。



