「あ?」
声のする方へと顔を向けた千鶴さんの視線の先には大人っぽい美人な女の人。
「この後どうですか?」
女の人がそう言った瞬間、周りからは「抜け駆け」という言葉も聞こえたけどその女の人はそんな言葉聞こえていないかの様に千鶴さんの腕に自分の腕を絡ませようとした。
「触んな」
だけど千鶴さんは女の人の手を払い除けた。
その瞳と声はとても冷たい。
「っ最近その子ばっかりじゃないですか!そこの子よりも絶対上手いですよ?」
女の人も冷たい瞳と声に一瞬たじろいだもののすぐに甘える様な声を出す。けれどその目はあたしの方を睨んでいた。
つまりあたしは邪魔だということ。
鬱陶しいということ。
それはそうだ。
あたしみたいな大して可愛くもない地味な女が千鶴さんと居たら鬱陶しいに決まっている。
それがこんなに綺麗な人なら尚更。



