「もう少し俺達を頼ってくれていいんだよ」
ごめんなさいと謝ったあたしに優しく笑いかけてくれる楓也さんはポンポンとあたしの頭を撫でた。
「俺達は雪乃ちゃんの味方だから」
「っ」
「だからもう危険な事はしないでね」
「っはい、」
「お前が変な女につけられてるって知った時のチヅの機嫌といったら最悪だったんだぞ」
「っい、いいいい、たっ⋯！」
やれやれといった表情であたしの頬を抓る昴さん。
この人は本当に暴力的だ。
今抓る必要が少しでもあっただろうか？
だけど⋯。
「っ昴さんも、色々とご迷惑とご心配おかけしましたっ⋯、それと、ありがとうございます」
昴さんも心配してくれたんだろう。
なんとか昴さんの手から逃れてそう伝えた。
のに。
「⋯⋯気持ちわりぃ」
わざとらしく震える仕草をした昴さんとは本当に気が合わない。
だけど「次からは無理すんなよ」と言ってくれるあたり根は優しい人なんだとわかる。
