「大体、一人で解決しようなんて考えて馬鹿じゃないの!?もしも何かあったらどうするの?相手が男だったら力じゃ絶対に勝てないんだよ!?ただでさえ雪乃はヒョロいんだから!」
ヒョロい発言は心外だけどあさみの言っていることは最もすぎて何も言い返せない。
「一人で悩んで解決しようなんて本当に馬鹿だよ!あんたには私がいるのに!千鶴さん達だっているのに!」
「っ!」
「心配とか迷惑とかそんな事が問題じゃないの!」
「こうやって後から聞かされる方が嫌だし、もし何かあってからじゃ遅い、絶対に後悔する。一人で抱えられる方があたしは心配!迷惑!嫌!」
「あさみ⋯」
「あたしじゃ何の力にもなれないけど!それでも、それでも⋯出来る事はあるよっ⋯」
人通りもそこそこある中庭で人目もはばからず双眸から涙を流すあさみ。
あさみは今あたしの為に泣いてくれている。
心配してくれている。怒ってくれている。
「ごめんね、あさみ⋯」
心配かけたくない。迷惑かけたくない。
そう思っての行動だったけど、それは間違っていたんだと気がついた。



