「あさみ⋯?」


ドンッと強く机を叩いたあさみを見ればあさみの表情は怒りや悲しみに染まっていた。




「雪乃のバカヤロー!」

「あ、あさみ?」


いきなりバカヤロー呼ばわりされて戸惑っていたけど「なんでっ⋯」という弱々しい声にハッとしてよくあさみの顔を見ればその瞳にはうっすらと涙が浮かんでいた。





「なんでっ、なんで黙ってたの!」

「あさみ⋯」

「そんな思いしてたのになんで何も言ってくれなかったのよ!?」

「⋯、」

「私なんかじゃ何の力にもなれないかもしれないけどっ、話くらいは聞けたりしたのにっ!一緒に帰る事だってしたのに!それなのになんで何も言わないのよ!」

「あさみ⋯、」

「一人で悩んでんな!馬鹿雪乃ぉぉぉっ⋯!」




そう叫ぶと同時にあさみの瞳から遂に涙が流れ落ちてそれを見た瞬間すごく心が痛んだ。