「泣き止んだか⋯?」


「っはい、」



暫くそのままの状態でいたあたし達。

あたしの返事を聞いてゆっくりと離れていく体。



それに寂しさを感じつつ、やっと冷静になり出した頭で状況を考えてみれば顔から火を噴くのは当然だ。





見る見るうちに顔が熱くなっていく。





「雪乃?」


「っ、はい!」




声がひっくり返ったあたしを見て不思議そうにする千鶴さんはあたしのように緊張したりなんてしていない。


きっとこういう経験は何度もあるんだろうな⋯。



そう思ったらチクッと胸が痛むけど、千鶴さんだもん。そんなの当たり前だよね⋯。


そうやって言い聞かせた。