君ありて幸福 【完】

「怖かっただろ⋯」

「千鶴さん⋯」


千鶴さんはこの一連の出来事で泣いていると思ってるんだ。



さっきまでの涙は確かにそうだったけど今は違う。





千鶴さん、あたしは⋯、


あたしは⋯⋯⋯。





あなたの事で泣いているんだよ。と、そんな事は言える訳もなく、




だけど、それでも。





千鶴さんの優しさはとても温かくて。



その優しさに涙は止まっていた。