伝わってくるのは心地いい鼓動と温もり。 「ち⋯づるさん、?」 あたしは千鶴さんに抱き締められていた。 と言ってもギュッというような感じではなくておでこを千鶴さんの胸板に預けて優しく包まれているような感じだ。 だけどそれだけでもあたしの心臓はバクバクで。 「あああ、あのっ⋯」 「落ち着け」 「無理ですっ⋯、これ⋯、」 満足に言葉すら発する事が出来ない。 だって千鶴さんの手が後頭部に回ってる⋯! 抱きしめらるようなかたちになってる⋯! こんなに千鶴さんとの距離が近いのは初めてだ。