「さっきだってもっと酷い事されたかもしれないんだぞ」
「⋯⋯」
「心配なんだよ」
悲痛に顔を歪める千鶴さんにまた涙がポロリと零れた。
さっき千鶴さんに拭ってもらったばかりなのに⋯。
だけど嬉しくて。
心配かけてしまった事は後悔してるし反省もしてる。
こんな事言っていいのかわからないけど、それと同じくらい千鶴さんの言葉が嬉しくて。
「ごめんなさいっ⋯、でも、ありがとうございますっ⋯」
情けない事にそんな言葉しか出てこないけど本当にそれしかなくて。
“ごめん”と“ありがとう”
が今のあたしの気持ち全てな気がした。
