「なんであんたみたいな女が彼の隣に居るのよ!?」
「っいた⋯、」
「私の方が可愛いのにっ⋯、私の方が彼に相応しいのにっ⋯、ねぇっ!」
「痛いっ、」
ギリギリと引っ張りあげられる髪の毛。
もう何本もブチブチと音を立てて抜けてしまってる事だろう。
もう痛くて痛くて堪らない。
何度痛いと訴えても、何度離してと訴えても彼女の力は弱まるところか強さを増していく。
もう嫌。
誘き寄せるなんて馬鹿だった。
会って話そうなんて考えたあたしが馬鹿だった。
そう思った時、ふっと髪の毛を引っ張る力が弱くなり彼女の手が離れた。



