「あなたの行動は間違ってる。それはあたしだけじゃなく他の人にも色々な迷惑を掛けてしまってる。それがわからないの?」
「うるさい!!!!」
なるべく怒らないように、怒らせないようにと気を付けていたけど我慢が出来ずにそう言うと彼女は今までで一番大きな声を出した。
「私は考えたのよ、あんたがどうしたら彼から離れるか、どうしたらこの遣る瀬無い思いを晴らせるか!」
「⋯⋯」
「あんたみたいな女は彼の近くにいたらダメなの。ねえ一体どんな手を使ったの?どうやって彼に取り入ったの?こんな地味で目立ちもせず、こんな女の底辺で燻っているようなあんたがどうやって⋯誰の許可を取って彼の傍にいるの?ねえ⋯ねえ⋯ねぇ!答えなさいよ!!!」
目を血走らせながらそう叫ぶ彼女は完全に理性を失っていた。
ただ怒りにだけ支配されていた。
あまりの彼女の剣幕に言葉を発する事すら出来ないあたしの胸ぐらを両手で鷲掴みにしてガンガンと揺らす。
「⋯っ、」
一体彼女のどこにそんな力があるのかというくらい強い力だった。



