驚いた。
まさかあたしと同じくらいの年の女の子だとは思わなかったから。
だけど今冷静に考えてみたら聞こえていた足音はローファーの音だったような気がする。
でも驚いたのはそれだけじゃない。
「⋯⋯⋯⋯」
姿を見せた彼女は千鶴さんの通う白蘭高校の制服を着ていたから。
偶然かもしれない、でも嫌な予感がした。
大きな瞳で、綺麗な黒髪で毛先がカールしている正に可愛いという言葉が似合う彼女。
白蘭高校ということはきっとどこかの社長令嬢。
可愛い中にも毅然とした強さを感じた。
だけどそれ以上に。
「黛⋯雪乃⋯」
ポツリとそう呟いた彼女からはあたしへの激しい嫌悪を感じた。
それは言葉は悪いが気味が悪いと感じる程。
