「雪乃⋯?」


「なに?あさみ」



次の授業が行われる移動教室へと向かっている時、あさみかあたしの顔を覗き込んだ。

覗き込んだあさみの眉は下がり、とても心配そうだ。




「なにって⋯具合悪いの?」

「どうして?」

「ふざけないで。滅茶苦茶顔色悪いよ?」

「⋯確かにちょっと怠い気がする」

「ちょっと⋯って、そんな顔色して鈍すぎでしょ⋯保健室行こう?」

「そんなに顔色悪いの?」

「うん。すごい悪い」

「うそ⋯」

「本当。だから保健室いった方がいいよ、ほら」




確かに今日は朝から何をするにも体が重くて怠かった。


それに⋯最近つけられる頻度も視線を感じる頻度も高くなってきて、ストレスや恐怖からなかなか眠りにつけなかったり眠りが浅い日が続いていた。




昨日も寝たのは朝の四時だったような⋯。





「最近寝不足だったから⋯」

「寝不足!?どうして」

「何となく⋯枕が合ってないのかな?」

「なにそれ⋯とにかく保健室行こう」



あさみは疑うような目を向けながらもあたしの体を支え、保健室へと連れていってくれた。