結局あたしはその後も皆に嘘をつき続けていた。





電話が鳴ったのはお風呂から上がり髪の毛をドライヤーで乾かしている時。




鳴り響く着信音にスマホの画面を確認してみるとそこには千鶴さんの文字。




一気に心臓がドキドキと暴れ出す。




千鶴さんからの着信。


出ないなんて選択肢はない。けど、嘘をついている手前、躊躇ってしまう自分もいる。




だけど──────、




やっぱり、千鶴さんの声を聞きたい。


聞きたいよ。






「もしもし」




嬉しいような、切ないような、不思議な気持ちで声が震えた。