「春だね」
「季節はもう冬に突き進んでるよ」
「でもあさみにとったら春じゃない?」
「それは雪乃も同じでしょ」
「あたしのことはいいよ⋯」
「雪乃が千鶴さんと良い感じになるなんてねぇ⋯」
「良い感じじゃないし、もう、本当にあたしのことはいいって」
「照れちゃって」
「あさみこそ」
朝にあんな恐怖を感じたというのに今のあたしはあさみと青木君の話に夢中になっている。
自分の気持ちを自覚して、千鶴さんの話題になって頭の中は彼のことでいっぱいになってる。
単純?馬鹿?それとも恋ってそれだけのパワーがあるのかな。
だから恋心は。
時に激しく燃え上がり過ぎてしまうこともあると思うんだ───────。



