「そういえばあさみは今日Trust来るの?」
「あー、今日も青木と約束してるんだよねぇ」
「そっかぁ。仲良いね」
「まあ、ね」
恥ずかしそうに微笑むあさみはあれから青木くんとよく会ったりしていて、あたしも何回か二人でいるところを見ているけれど本当に仲が良いと思う。
青木くんは変わらずあさみに猛アプローチしているしあさみも何だかんだそれを受け入れているし。
その様子はもどかしくも微笑ましい。
「⋯ここだけの話なんだけどね、」
教室に向かっている最中、突然小声になったあさみに耳を近づける。
「私、青木のこと良いなって思ってる」
「!うん、」
「というか、好き、なんかな、多分」
「!」
「青木って何でもストレートに伝えてくるから思わずドキッとすることもあってさ」
「うん、うん」
「会う度に、あれ、コイツのこと意外と好きになってる?って思ってきて⋯」
言葉遣いが悪くなるのはあさみの照れている時の癖。
それでもゆっくりと紡ぐ言葉に恥じらいが見え隠れする。
「で、よーく自分の気持ちを考えてみたらさ」
「うん、」
「私青木のこと好きだなーって⋯、まあ、思ったわけよ」
「うんうん!」
「という、まあ報告。でした」
「そっかぁ、そっかそっかぁ!」
「何で雪乃がそんなテンション上がってんのよ」
「だって!嬉しいんだもん!」
突っ込まれてしまったけれど本当に嬉しいんだ。
あさみに好きな人が出来たこと。
あさみがこんな風に想いを話してくれたこと。
密かに二人を応援していたこと。
もう、本当に嬉しいんだ。



