「っはあ、⋯はあ、⋯」
「おはよー雪乃って、どうした?」
視線から逃げるように走ったせいで乱れた息を下駄箱に手をついて整えていると後ろからあさみの明るい声が聞こえた。
「おは、よう、あさみ」
「うん、おはよう。てかすごいハァハァ言ってるけど何かあったの?」
「少し走ったから⋯元々体力ないし、ハァ⋯、ゴホッ」
「走ったって⋯ってかまず息整えよう」
首を傾げるあさみは意味がわからないといった表情だったけれど呼吸を大きく乱し遂には咳き込んだあたしの背中を優しく摩ってくれた。
運動音痴な上に体力もないあたしには準備運動もなしにいきなり走る、しかも視線のせいで恐怖心から心臓もバクバクいっていたし軽く酸素不足だ。



