君ありて幸福 【完】



一体誰が⋯?

そう考えている間もどこからか視線を感じる。

だけどそれが“どこから”“誰から”なのかがわからない。

それらしき人物も見当たらない。




それがわからないからどうしようもない。




⋯とにかく、視線から逃げるしかない。



気味の悪さに震えていた足をなんとか動かし、走るようにしてその場を離れた。