君ありて幸福 【完】


バッと後ろを振り返って辺りを見渡す。




「⋯⋯っ」



だけどそこには怪しい人影はなく、通勤通学のサラリーマンや学生が忙しなく歩いているだけだ。



またあたしの勘違い⋯?



⋯⋯違う。


絶対、勘違いなんかじゃない。




明らかに見られているという感覚がある。

鳥肌が立つくらい、明らかに視線を感じる。




気持ち悪い。




視線は感じるのに、周りを見てもそれらしき人影はない。



怖い。



やっぱりこの前もつけられていたんだ。



そう思ったら一気に寒気を感じて怖くなった。