君ありて幸福 【完】


「あたし何か変なこと言いました?」

「っ変もクソもねぇ!誰が誰LOVEだってぇ!?ああ!?」


キョロキョロと視線を彷徨わせるあたしに飛んできた怒号。
昴さんは身を乗り出す勢いだ。




「だって昴さん千鶴さんのこと大好きじゃないですか」

「なっ!俺が男を好きな訳ねーだろ!」

「そういうこと言ってるんじゃないんですけど⋯」

「んなことわかってるよ!」


顔を赤くしている昴さんは怒っているのか照れているのか⋯多分そのどちらも。



「勘弁しろよ」


反対に顔を青くさせている千鶴さん。

そらを見て笑う楓也さん。





やっぱりこの三人は仲が良いと思う。


LOVEって言ったから昴さん達は怒ったり照れたりしたんだろうけど、あたしはそう思う。

三人が知り合ったきっかけを聞いてから尚更だ。


楓也さんと昴さんは本当に千鶴さんを信頼していて、千鶴さんもまた二人を信頼している。



怒ったり照れたり、ゲンナリしていたり⋯笑っていたり。


三人に絆を感じる。