「おい、ガリ勉!チヅのこと誑かしてんじゃねえぞ」
「はい?」
「調子乗んなガリ勉」
「あの、本当に意味わかんないんですけど⋯」
「馬鹿だな」
フッと鼻で笑う昴さんは最近あたしのことをガリ勉と呼ぶ。
不愉快極まりないけど何だかんだそれを許しているのはやっぱり昴さんに憎めないところがあるからだろう。
というか誑かしてるって⋯。
どこからどう見ればあたしが千鶴さんを誑かしているように見えるんだろう。
やっぱり昴さんて⋯
「本当に千鶴さんLOVEですよね」
「「はぁ!?」」
あたしがそういうと千鶴さんと昴さんが同時に顔を歪ませた。
楓也さんはクスクスと笑い出す。



