そして次の日も、あたしはTrustで夜を過ごした。
「新しい飲み物頼むか?」
「あ、はい。ありがとうございます」
「どれにする」
「えっと⋯、」
千鶴さんは何だか気に掛けてくれることが多くなった。
それはとても嬉しいことで、最初は慣れなかった千鶴さんとの会話も今でも緊張はするけど自然に出来るようになってきた。
それでも千鶴さんの言動一つ一つにドキドキすることには変わりないんだけどね。
「なーんか千鶴と雪乃ちゃんいい感じだよな」
「チヅが女にあんな優しいの初めて見た。いつも適当な顔ばっかしてたのに」
「最近他の女と居ることもなくなったしな」
「そーいえばそーだな」
千鶴さんのことでいっぱいのあたしにはそんな楓也さんと昴さんの会話は聞こえてはいなかった。



