最初に異変を感じたのはTrustからの帰り道。
途中まであさみと一緒に帰り、分かれ道でバイバイをして街灯が適当な間隔で並ぶ住宅街を一人で歩いている時だった。
今日も千鶴さんに会えたしあの出掛けた日以来、話す回数も増えたなとウキウキした気持ちで道を歩いていると
コツ───────、
と後ろから足音のような音がした。
その音には別に何も感じず、そのまま足を進める。
だけど暫く歩いていると感じた違和感。
コツ────、コツ─────、コツ────、
コツ────、コツ───コツ、コツ──。
それは後ろから聞こえてきる足音があたしの足音と全くペースか同じだということ。
「⋯⋯⋯」
ドキンッと心臓が跳ねる。
もしかして後をつけられてる⋯?
いや、まさかね⋯?
だけど────、
コツ────、コツ────、コツ、コツ、コツ、コツ。
あたしがスピードを上げれば聞こえてくる足音も早くなる。
冷たい汗が背中を流れた。