「本当に良いんですか?」
「ああ」
「⋯、」
「ほら」
差し出されたぬいぐるみ。
お土産屋の棚に並んでいた時より、手に取った時より、可愛く見えるクラゲのぬいぐるみ。
「ありがとうございます」
「ああ」
どんな時よりも愛しい、どんな時よりも大切だと感じる。
きっとこのぬいぐるみは今日の夜からあたしの枕元に居ることになるだろう。
そしてずっとずっとあたしの宝物の一つとして君臨するだろう。
それくらい、大切なものになった。
申し訳ないと思った。買ってもらうのは気が引けた。
だけどこうして千鶴さんが微笑んでくれるから。
千鶴さんがあたしの為にプレゼントしてくれたから。
一番は嬉しいって思うんだ。
「一生大切にします」
「大袈裟だろ」
千鶴さんは大袈裟だと言うけれど全然そんなことない。
あたしは真面目に、本気でこの千鶴さんがくれたぬいぐるみを大切にする。
絶対、一生、大切にする。
そう想いを込めて水色のタコクラゲのぬいぐるみをそっと撫でた。



