一瞬、掴まれた手にドキッとした。
だけど真剣な表情の千鶴さんにその瞳を見つめ返す。
「見たいんだろ、ぬいぐるみ」
「え⋯」
「見たそうな顔してた」
「⋯、」
「見ればいいだろ」
「千鶴さん⋯」
そう言いながらあたしの手を離さない千鶴さんはきっとあたしの気持ちをわかってる。
ぬいぐるみを見たかったこと。子どもっぽいと恥ずかしがったこと。
それをわかった上でそう言ってくれてるんだ。
「クラゲのもあんぞ」
手のひらサイズのクラゲのぬいぐるみを取りあたしの顔の前で横に動かす千鶴さん。
何だろう、すごく熱いものが込み上げてくる。
「ありがとうございます。可愛いですね」
千鶴さんからクラゲのぬいぐるみを受け取って微笑む。
水色をしたそれに可愛いさだけじゃなくて愛しさまで感じた。



