君ありて幸福 【完】


あさみは最近ここに来ていると言うだけあって店員の人やお客んにも気軽に声をかけたりしていた。


あたしもあさみに乗っかってカウンターでお酒やジュースを作ってくれてる店員さんと話をしながら過ごした。





その間、フロアの真ん中あたりにある階段上のボックス席。


彼のいる場所に何度か意識が向いてしまってあさみにからかわれたりもした。



「雪乃も千鶴さんファンなんだね?」

「ファンとかじゃ···ないよ」

「じゃあ気になるんだ?」

「あまりにも綺麗な人だから目が行っちゃうの」



あさみにそうは言ったけど、綺麗な人だからって理由だけじゃなく、あの人を見てしまう自分がいた。


チラチラと見てしまう彼は隣のお友達の人と楽しげに話したり真剣な表情でフロアをジッと見ていたりとしているだけだったけど、その姿を見ているだけでも不思議な感情が沸き上がってくる。




ムズムズするような、キュッとするような···。

切ない気持ちになる。