君ありて幸福 【完】


水族館は日曜日ということもあってかそれなりに混雑していた。


入り口近くにまず見えたのは大きな大水槽。

その中には色んな種類の魚がいたけれどあたしがわかるのはイワシくらいだった。



「見事な連携プレーですね」

「それが第一声かよ」

「⋯変ですか?」

「いや?」

「⋯本当に息ピッタリじゃないですか」


そんな会話をするあたし達の目の前でイワシの大群が息の揃った泳ぎを見せる。


「どうしてあんなに息ピッタリなんでしょう」

「捕食者から身を守る為とかそんなんじゃねぇの?」

「捕食者⋯」


確かにこの大水槽にはイワシよりも遥かに大きな魚も泳いでいる。

その為に群れを作っているのかもしれない。


見事な連携プレーは見ている分にはとても爽快で綺麗だけれど、綺麗なものの裏にはそうでないことがあるかもしれないということを知った。