通常より少し冷ための千鶴さんの手。
指先であたしの頬を撫でるようにする千鶴さんはその綺麗過ぎる黒い瞳であたしを見ていた。
「⋯⋯っ」
「痛かったんだろ、大丈夫か」
冷たい手なのに温もりをちゃんと感じる。
冷たいのに誰より、何より、温かい。
「⋯雪乃?」
低くて甘い声で、あたしの名前を紡ぐ。
「だ、大丈夫です⋯」
「本当か?」
「はい⋯、少し大袈裟に言っただけなので」
本当は滅茶苦茶痛かった。でも今は痛みも和らいだし、何よりそれどころじゃない。
本当に心配そうにあたしの顔を覗き込むようにする千鶴さんにどんどん体の体温が上がっていくのがわかる。
「でも赤くなってる」
「⋯っ!」
するり、と撫でるように指先を動かされて思わずぎゅっと目を瞑った。
「痛いか?」
それを痛いからと捉えた千鶴さんは
「おい昴────、」
と昴さんに何か文句を言っているらしく、離された手にホッとする自分と名残惜しく思う自分がいた。



