「今日すごく天気いいですね」 窓に近づき晴天を見上げながら言う。 だけど電話の向こうからは 「天気の話とか王道すぎて逆におかしいだろ」 と呆れたような声が聞こえた。 話題、間違えたかな⋯。 「すみません⋯」 何だか気まずくて謝るあたしの耳に聞こえてきた声に涙が出そうになった。 「でも、本当に天気いいな」 「っ!」 「見たことないくらい青空だし」 「⋯、」 「雪乃に言われなきゃ気づかなかった」 声だけでもわかった。 今、千鶴さんは優しく微笑んでくれていると───。