「⋯⋯⋯⋯」
「⋯⋯もしもし?」
「⋯⋯⋯⋯」
「雪乃?」
「⋯⋯⋯⋯」
「おい、ふざけてんなよ」
初めて聞いた電話越しの千鶴さんの声に緊張とドキドキがピークに達し一瞬フリーズしていたあたしの耳に千鶴さんの不機嫌そうな声が聞こえて一気に現実に戻った。
「⋯っも、もしもし!」
「聞こえてんなら早く言えよ」
「すみません、なんか⋯、緊張して⋯」
「は?」
「いえ、なんでもないです、それより、あのテスト終わりましたって連絡です」
「あー、今日で終わったのか」
「はい」
思わず緊張したなんて口走ったあたしはこれ以上余計なことは言わないようにさっそく本題に入った。
「お疲れさま」
「ありがとうございます」
「なら今日からTrustにも来れんのか?」
「はい。今日からまた行く予定です」
「そうか」
「はい」
「⋯⋯⋯」
「⋯⋯⋯」
「⋯⋯⋯」
「⋯⋯⋯」
「何か喋れよ」
「えぇ!?あたしがですか」
「そ」
会話が途切れ沈黙が続いた後千鶴さんにいきなり無茶振りを言われてどうしたらいいのかわからなくなるけれど千鶴さんの中に電話を切るという選択肢はないんだと思うと飛び上がりそうなくらい嬉しい。
電話を続けてくれるんだって、そう浮かれてもいいのかなって思う。
だけどいきなり何か喋れと言われてもすぐに面白い話題なんて思いつかない。
「そんなこと言われても⋯あ、」
「何だよ」
何かないかとキョロキョロしていると目に入った青。
「千鶴さん、空がとても綺麗ですよ」
今日は雲ひとつない晴天だった。



