君ありて幸福 【完】


あの日以来あたしは勉強漬けの日々だったし、そもそも何も用事がないのに連絡するのはどうなのかなと思って連絡を取らなかった。

当然千鶴さんからも連絡が来たことはない。




連絡、してもいいよね⋯?



テスト終わったら出掛ける約束してる訳だし。


でもテスト終わりましたなんて事今日Trustに言って報告すれば良くない⋯?


いやでも、Trustに来る時は連絡してって言われたし⋯。




「うーん⋯」



思い切って連絡してみるべきか、しないべきか。


悩みにや悩んだ結果、あたしは電話の発信ボタンを押した。


来る時は連絡してって言われたし、早く報告したいし。

それに⋯⋯それに何より一度電話で千鶴さんと話してみたいから。







トルルルという機械音が耳に届く。


電話するだけなのにすごく緊張した。



「⋯⋯っ」



ゴクリと唾を飲み込む。





「もしもし───」




数回機械音が聞こえた後、いつもよりほんの少しだけ低く聞こえる千鶴さんの声があたしの鼓膜を震わせた。