そして二週間後、必死の勉強の努力が実り今回のテストも学年一位を取ることが出来た。
「雪乃今回も一位だね!」
「うん。今回はいつも以上に頑張った」
「千鶴さんとデートする約束したんだもんね!早くテスト終わりましたって連絡すれば?」
「デートじゃないってば」
あさみには千鶴さんと出掛けると約束したことを話した。
もちろんデートなんてあたしは一言も言ってないけどあさみはそれをデートといって茶化す。
絶対に違うしドキドキして恥ずかしくなるからやめてほしいんだけど。
頬を両手で包んで目を瞑りながら
「でも二人で出掛けるんでしょ!てか何?あんた達!もう絶対千鶴さん雪乃に惚れてるよね!キャーっ!!」
と騒ぐあさみにあたしは冷めた視線を送る。
「絶対に違うから!変なこと言わないで」
「千鶴さんて本気で誰かを好きになったりするのか疑問だけどありえない話じゃないでしょ。雪乃のことは何か特別扱いだし」
「そんなんじゃないよ」
「逆に雪乃はどう思ってんのよ?」
「えっ!あたし?」
いきなり振られた質問に思わず目をキョロキョロと彷徨わせる。
それがあさみには千鶴さんが好きだと言っているように見えたのか「ふーん」と意味ありげに笑われて。
「まあ薄々気づいてたけどね」
「なっ⋯」
「千鶴さんに恋するって絶対止めといた方がいいよって言いたい所だけど⋯雪乃は脈ありそうだからね」
「な、あるわけない⋯!」
「てかごめんね?私そうかな?って思い始めたの雪乃が出掛ける約束したって言った時くらいなんだよね。だから今まで余計な情報喋ってたよね」
「それは⋯」
千鶴さんの女遊びのこととか、ソファ席のこととかについてあさみは言っているんだろう。
「ごめん」
申し訳なさそうに目を伏せたあさみに首を横に振った。
「あさみが謝ることじゃないし、モヤモヤするよりは聞いた方が良かった。だから謝らないで」
「雪乃ぉ⋯」
「そんな泣きそうな顔しないでよ?それとあたし千鶴さんに連絡してくるね。あさみもテスト終わったら青木くんとデートするんでしょ?連絡してきなよ」
「っうん、私も連絡してくる」
スマホ片手にその場を離れたあさみは青木くんと微妙な関係が続いているらしい。
そんなあさみの背を見ながらあたしもスマホのアドレス欄から千鶴さんの名前を探し、さっそく電話を掛けようと試みる。
だけど試みたは良いけどなかなか発信ボタンを押すことが出来ない。
だって連絡先を交換したは良いけど今まで一度も連絡を取ったことがなかったから。



