サラサラの黒髪と長身に長い手足。
小さい顔にスっとした鼻筋。
切な気で儚げな黒の瞳。
眉も唇も全てのパーツが完璧に揃ったあの人の顔はきっと誰が見てもドキッとするんじゃないかと思う。
「そういうんじゃないもん···」
あさみにからかわれて恥ずかしくなり拗ねたように俯くとあさみは「わかったよ」と言った。
「でも雪乃、千鶴さん達に本気になったらダメだよ」
「ならないよ」
「ならいいけどさ。ま、あたしも千鶴さん達のファンだから雪乃がドキッとしちゃったのはわかるなぁ」
「だからドキッとなんて···!」
「ははっ、ほら、ジンジャエールもうないでしょ?新しいの頼もっ」
上手く丸め込まれたような気がしないでもないけどどっちにしたってあたしと千鶴さん達が関わる事なんてない。
「うん、頼む」
だから
“千鶴さん達に本気になったらダメだよ”
そんなあさみの言葉も深く考えずにいた。



